■花粉症の注射


花粉症対策の注射の種類

花粉症の注射には4種類あります。


先にご紹介しました副腎皮質ホルモン(筋肉内注射)、減感作療法・免疫療法(皮内注射)、星状神経節ブロック(首に麻酔薬を注射)、ヒスタミン添加グロブリン(筋肉内注射)です。


副腎皮質ホルモンの注射は、花粉症の症状にアトピー性皮膚炎や気管支喘息などが合併している場合これらの病気が悪化する場合もあるので、やはり充分な考慮が必要となります。まだご説明していなかった「ヒスタミン添加グロブリン注射」は、非特異性減感作療法という花粉症の治療法のひとつです。これはヒスタミン添加グロブリン(ヒスタグロビン)を数回にわたって注射する方法です。近年ではあまり実施されていません。花粉症のアレルゲンが特定できない場合、この治療が行われたり、減感作療法と並行して効果を上げる目的で行われることがあります。


花粉症対策のステロイド注射の是非について

「花粉症が筋肉注射1本で治る」という話があります。これは、副腎皮質ホルモン(ステロイド)筋肉注射の事と思われます。結論からいって、この花粉症対策のステロイド注射は、おすすめできません。


耳鼻科学会やアレルギー学会では認められていない治療ですし、日本耳鼻咽喉科学会でも望ましくない治療であるとされました。花粉症に行われているこのステロイド注射は、非常に作用の強い持続型ステロイド剤(ケナコルトA、デポメドールなど)で、これは注射を一回することで体内にとどまり続け、ステロイドの効果が2週間から数ヶ月間続くので、花粉症の症状が抑えられるのです。


決して花粉症が完治される訳ではありません。そして、注射を1回したらその後に途中で副作用が出てきても、ステロイドの効果が切れるまで副作用がなくなるのを待つしかないのです。副作用には、糖尿病、骨粗しょう症、中枢性神経障害、消化器潰瘍、高血圧、無菌性骨壊死、眼障害などがあります。保険もきかない治療ですので、なるべくこの治療は選択しないほうがいいという意見が多いようです。


減感作療法の注射による花粉症治療

花粉症の一般的な治療法は、マスク、眼鏡などで花粉を避けたり、薬物療法、鼻粘膜のレーザー手術などがありますが、これらはいずれも対症療法です。


花粉症を根本的に治せる可能性がある治療方法は、減感作療法です。この減感作療法の一般的な方法は、花粉症の原因となっている花粉のエキスを、濃度を少しずつ上げながら、何度も注射することで花粉に体を慣らす方法です。この方法によって、患者さんの花粉の対する抵抗力が段々に増していくので、アレルギー反応がなくなっていき、体質改善ができるのです。


この減感作療法の注射は、花粉症のシーズンの3か月以上前から開始し、2年以上続けることが必要といわれています。治療期間が長く、効果に個人差はありますが、花粉症の完治を期待されてこの減感作療法の注射を受ける患者さんもおられるのです。


星状神経節ブロック注射による花粉症治療

花粉症の治療のひとつとして、星状神経節ブロック注射があります。これは、お薬での治療では充分な効果を感じられない方やお薬だけでは日常の生活に支障が出るような方におすすめの治療です。


治療は、花粉の飛散し始める1か月から2か月前から始めると効果的です。このブロック注射の治療によって、うまくいけば次の花粉症の時期から症状が出なくなったり、かなり症状が改善されます。


治療法は、首の星状神経節をブロックします。そうすることによって、緊張状態が取れてリラックスした状態が作られるのです。その理由は、頭部につながる自律神経のおおもとになっている神経節がある星状神経節を注射によって刺激することによって、鼻粘膜の血流や自律神経の働きを活発にするからです。これによって、アレルギー性鼻炎や花粉症の症状であるくしゃみ、鼻づまりを軽くする事が出来るのです。この花粉症治療には、だいたい20回から30回をめどに首に注射をします。